ジグ単では届かない沖や深場を、自然な誘いで攻略できるのがスプリットショットリグ。
シンカーで飛距離を稼ぎつつ、軽量ジグヘッドはそのままだから食わせ力も抜群です。
本記事では仕組みからメリット・デメリット、タックルや釣り方まで徹底解説。
キャロやフロートとの違いも整理して、スプリットを武器にするための実践ノウハウをまとめました。

ども。当サイトの管理人です。
釣りメディアのライター&ディレクターとして、これまでに1000本以上の記事制作に携わってきました。
雑食アングラーではありますが、なかでもアジングは大好物。いろんな道具と苦楽をともにしつつ、かれこれ10年以上はアジングをやり込んでいます。
アジング道具については、そこいらの釣具屋店員サンよりもぜんぜん詳しい自負があります。
あなたにピッタリのギア選びをお手伝いできるよう、当サイトで役立つ情報をお届けしています。
スプリットショットリグとは?


スプリットショットリグの構造は非常にシンプルです。
「キャスト用のオモリ(スプリットシンカー)と、ワームが付いた針(ジグヘッド)を離してセットする」だけ。
具体的には、ラインの途中に「スプリットシンカー」と呼ばれるオモリを固定し、そこから50cmほど先に軽いジグヘッドを結びます。
シンカーはジグヘッドよりも重いものを使うのが基本です。
フロート・キャロとの違い|アジングリグの使い分け方
アジングで飛距離を出したい時、スプリットショットリグ以外にも「フロートリグ」や「キャロライナリグ(キャロ)」があります。
それぞれ得意な状況が違うため、使い分けることが釣果アップの鍵です。
- スプリットショットリグ:
ジグ単では届かない中距離や、風・流れが強い状況で中層〜ボトムを攻めたい時に。
ジグ単の延長として手軽に使えます。 - キャロライナリグ:
スプリットよりさらに遠投して、中層〜ボトムをじっくり探りたい時に有効です。
≫キャロライナリグの使い方 / タックルガイド - フロートリグ:
遠くの表層〜中層を、仕掛けを漂わせるようにゆっくりと誘いたい時に使います。
≫フロートリグの使い方 / タックルガイド
どのリグを選ぶべきか迷ったら、下の表を参考にしてください。
リグ | 飛距離 | 得意なレンジ | 沈下速度 | こんな時に! |
ジグ単 | 近距離 | 全層 | 重さ次第 | 基本のリグ。港内の近距離戦に。 |
スプリット | 中距離 | 中層〜ボトム | 速い | ジグ単では届かない沖や深場、強風時に。 |
キャロライナ | 遠距離 | ボトム中心 | やや速い | 遠投してボトムをズル引きしたい時に。 |
フロート | 遠距離 | 表層〜中層 | 遅い(漂う) | 遠くの表層をスローに誘いたい時に。 |
スプリットショットリグの強み5つと覚えておきたい弱点
メリット
- 飛距離を出せる:
軽量ジグヘッドでもシンカーを足すことで沖まで届き、これまで攻められなかったポイントを狙え、釣果アップにつながります。 - 深場・急潮流を攻略しやすい:
重いシンカーで素早く沈められ、流れにも負けにくい。ジグ単では難しいタフな状況を切り開けます。 - 吸い込みやすさ:
軽いジグヘッドは違和感なく吸い込め、掛かりが深くバラシが減少。食わせ能力が高まります。 - ボトム感知と根掛かり回避:
シンカーが着底を明確に伝え、障害物にも先に当たるため、感度向上と根掛かり回避の両立が可能。 - ナチュラルな誘い:
アクションはまずシンカーに伝わり、ワームが自然に追従。余計な動きが吸収され、漂うような演出ができます。
デメリット
- アタリがぼやける:
シンカーが間にあるため、小さなアジのアタリが吸収されやすく、ジグ単に比べると手元に伝わる感覚が鈍くなる場合があります。 - アクションが伝わりにくい:
手首で細かく「チョンチョン」と動かすアクションはシンカーに吸収されやすく、ジグヘッドやワームに十分伝わらないことがあります。 - フッキングが決まりにくい:
アワセの瞬間、シンカーとジグヘッドの間のラインがクッションになり、力が伝わりにくいことで、フッキングが甘くなる場合があります。 - リグ変更がやや手間:
ラインにシンカーを直接通すタイプでは、ジグ単から切り替える際に一度リーダーを切る必要があり、頻繁なリグ変更時は不便に感じやすいです。
初心者でも安心!アジングに合うタックルとライン設定


ロッドとリールの選び方
ジグ単タックルと共有することが多いため、そのバランスを考慮した選択が重要です。
ロッド:強めの短〜中尺ロッドがおすすめ


ジグ単の操作感を損なわず、スプリットショットリグの重さにも対応できる、5フィート台後半から6フィート台のロッドが扱いやすくおすすめです。
ルアーウェイトの上限が5g〜8g程度の、いわゆる「万能スペック」と呼ばれるものが最適です。
ジグ単と兼用することが多いため、繊細なアタリを捉えやすく、食い込みの良い「ソリッドティップ」の穂先が適しています。
↓ おすすめロッド ↓
アイテム | 全長(m) | 継数 | 仕舞寸法(cm) | 標準自重(g) | 先径/元径(mm) | ルアー重量(g) | 適合ライン ナイロン (lb.) | 適合ライン PE(号) | カーボン含有率(%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
510UL-S | 1.78 | 2 | 93 | 57 | 0.7/7.9 | 0.3~5 | 1~3 | 0.1~0.3 | 94 |
リール:2000番クラスがおすすめ


ジグ単タックルと同様に、スピニングリールの2000番クラスが万能でおすすめです。
タックルを共有することを考えると、ギア比はゆっくりと巻き取れて繊細な釣りがしやすい「ノーマルギア」や「パワーギア(ローギア)」が良いでしょう。
↓ おすすめリール ↓
ラインとリーダーの組み合わせ
ライン選びについても、ジグ単タックルと兼用しやすいかがポイントとなります。
メインライン:比重の高いラインがおすすめ!
ジグ単タックルと共有することが多いため、水より比重が高く、風や潮の影響を受けにくいラインがおすすめです。
エステルや高比重PEは水なじみが良い


- エステルライン(0.4号〜0.6号):
定番の選択肢。感度に優れますが、ジグ単の時より少し重いリグを投げるため、やや太めの号数が安心です。
≫エステルラインの選び方 / おすすめ - 高比重PEライン(0.3〜0.5号):
エステルラインより強度が高く、水に沈むためダイレクトな操作感が得られます。価格がやや高いのが難点ですが、非常に優れた選択肢です。
≫PEラインの選び方 / おすすめ
↓ おすすめライン ↓
リーダー


- 素材:
根ズレに強く、水中で見えにくいフロロカーボンラインが基本です。 - 太さ:
3lb〜5lb(0.8号〜1.2号)を基準に、狙うアジのサイズや障害物の多さに合わせて調整します。 - 長さ(シンカー〜ジグヘッド間):
30cm〜70cmが一般的。まずは50cm前後で始めてみましょう。クイックに動かしたい時は短め、フワフワと漂わせたい時は長めに調整します。
↓ おすすめリーダー ↓
リグの心臓部:シンカー・ジグヘッド・ワーム
スプリットシンカー
一般的には1g〜5gぐらいの範囲で使い分けます。
投げたい距離や攻めたいレンジ、ポイントの水深や流れの速さに合わせて、重さや材質(鉛、真鍮、タングステンなど)を調整すると、が釣果アップに繋がります。
↓ おすすめのシンカー ↓
ジグヘッド:〜0.6gを目安に軽いものを


キャストに必要な重さはシンカーが担ってくれるので、ジグヘッドは軽めが基本。
0.2g〜0.6gを目安に、可能な限り軽いものを選びましょう。
↓ おすすめのジグヘッド ↓
ワーム:普段使っているものでOK


基本的には、普段ジグ単で使っているもので問題ありません。
しいていうなら、ボトム(海底)に着けて少し放置するような釣り方もするため、ゴカイなどを模した少し長めのストレートワームなどがあると効果的です。
↓ おすすめのワーム ↓
材質や重さで選ぶ!おすすめスプリットシンカー3選
スプリットショットリグで使いたいおすすめのシンカーを紹介します。
アルカジックジャパン / スプリットシンカー


スプリットショットリグ専用シンカーの定番品です。
低比重な真鍮(しんちゅう)製なので、重めの重量でもフォールが速くなりすぎないのが良き。
豊富なウェイトバリエーションで、あらゆる状況に対応できます。
クリアブルー / TGパラソルシンカー


素材に高比重なタングステン(TG)を採用した高性能モデル。
同じ重さでも鉛や真鍮よりシルエットが小さいため、空気抵抗が少なく飛距離が伸び、沈下も速いのが特徴です。
五角形の独特な形状は、風や水の抵抗を切り裂くために設計されています。
ガン玉を活用するのもアリ


スプリットシンカーの代わりにガン玉を使うのも便利です。安価で数も揃えやすく、重さの種類も豊富。
フロートリグの浮力調整など用途が広いので、常備しておくと安心です。
アジングは細いラインを使うため、ラインを傷めにくい「ゴム張りガン玉」を選ぶのがおすすめです。
初めてでも安心!スプリットショットリグの釣り方とコツ
基本的な釣り方
- キャスト:
まずは仕掛けを投げます。
スプリットシンカーの重みがあるので、力いっぱい振り抜く必要はありません。
竿のしなりを活かして、ゆったりとキャストするだけで十分に飛びます。
強く振りすぎるとロッド破損の原因にもなるので注意しましょう。 - カウントしながら沈める:
着水したら、狙いたいレンジ(水深)まで仕掛けを沈めます。
「1、2、3…」と心の中でカウントし、狙いのレンジまで沈めたらアクションを開始します。
カウントのイメージ
代表的な2つのアクション
- リフト&フォール
最も基本的で効果的なアクション。
竿先をゆっくり持ち上げてリグを浮かせ(リフト)、ラインを張らず緩めずで沈めます(フォール)。アジのアタリはフォール中に集中します。
シンカー着底後に一呼吸置くと、遅れて落ちるジグヘッドにヒットしやすいです。 - ボトムズル引き
海底付近のアジ狙いに有効。シンカーが底に着いたら、竿先を横にさびくかリールを巻いてズルズル引きます。
時折止めて「ポーズ」を入れるのもいいでしょう。
アジの回遊を待ちながらの根魚狙いにもオススメ。
ワンポイント:「シンカーを操作する」という意識
スプリットを使いこなすコツは、「ワームを動かす」ではなく「シンカーを動かす」という意識を持つことです。


ジグ単は竿の動きが直にジグヘッドへ伝わりますが、スプリットはシンカーが先に動き、ワームは後からついてきます。
このイメージを頭に入れておくと、操作の感覚がつかみやすくなり、釣果アップにつながります。
よくある質問(FAQ)
Q1. アタリはあるのに掛からない…フッキングのコツは?
これは割と多い悩みです。
原因は、シンカーとジグヘッドの間にあるラインの「たるみ」。
ジグ単と同じ感覚で鋭く合わせても、このたるみが力を吸収してしまい、どうしてもフッキングが遅れてしまいます。
解決策は「巻きアワセ」です。
アタリを感じたら、手首を返して竿を立てながら、ハンドルを数回転させます。
こうすることで、フッキングの力が伝わりやすくなります。
Q2. キャストすると仕掛けが絡まります。対策は?
リグが長いため、特に初心者のうちはキャスト時に絡みやすいことがあります。
主な対策は3つあります。
- 優しいキャストを心がける:
力任せに振り抜くのではなく、竿のしなりを使って「ポーン」と放り投げるような、スムーズなキャストを意識しましょう。 - 着水前にフェザリングする:
仕掛けが着水する直前に、リールのスプール(糸が巻かれている部分)を指で軽く触れて、ラインの放出にブレーキをかけます(フェザリング)。
これにより、先に飛んでいる重いシンカーがリーダーとジグヘッドを一直線に引っ張ってくれるため、絡まずにキレイに着水します。
フェザリングのイメージ - リーダーを短くする:
キャストで絡まりやすいときは、リーダーを短くしましょう。
長いと仕掛けが空中でバタつきやすく、結び目やジグヘッド周りに絡む原因になります。
短めにすると飛行姿勢が安定してトラブル防止になります。
Q3. 根掛かりが多くて釣りになりません。どうすればいい?
ボトムを攻めることが多いこのリグでは、根掛かりは避けられないトラブルです。
しかし、工夫次第で多少は減らすことができます。
主な対策は2つあります。
- シンカーで障害物を感知する:
シンカーが何かに「コツン」と当たったら、無理に引っ張らないこと。
竿先を軽くあおって、シンカーを障害物の上を乗り越えさせるように、優しく操作しましょう。 - シンカーの形状を選ぶ:
丸いガン玉よりも、涙型や弾丸型(バレット形状)のシンカーの方が、障害物の隙間をすり抜けやすく、根掛かりしにくいです。
スプリットショットリグでアジングの幅を広げよう


スプリットショットリグは「届かない場所を自然に探れる」お助けリグ。
操作感はジグ単に近く、扱いやすいのも魅力です。
飛距離を出すならタングステン製、ナチュラルさ重視なら真鍮製シンカーが最適。
あとは軽量ジグヘッドと普段のワームで十分楽しめます。



シンプルで使いやすいスプリット。
試してみてはいかがでしょうか。
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