アジングロッドを選ぶときに迷いやすいのが「硬さ」。
UL?L?それともML?さらにメーカーごとに基準が違うから、表記だけではわかりにくいんですよね。
本記事では、適合ルアー重量を軸に、初心者でも失敗しないロッド選びのコツをわかりやすく解説します。

ども。当サイトの管理人です。
釣りメディアのライター&ディレクターとして、これまでに1000本以上の記事制作に携わってきました。
雑食アングラーではありますが、なかでもアジングは大好物。いろんな道具と苦楽をともにしつつ、かれこれ10年以上はアジングをやり込んでいます。
アジング道具については、そこいらの釣具屋店員サンよりもぜんぜん詳しい自負があります。
あなたにピッタリのギア選びをお手伝いできるよう、当サイトで役立つ情報をお届けしています。
アジングロッドの硬さとは


アジングロッドには「UL」や「L」といった硬さの表記があります。
これはロッドの強さを示しており、硬さが変わることで使えるルアーの重さや操作のしやすさが変わります。
つまり、自分のスタイルに合った硬さを選ぶことが、釣果アップの近道になります。
よく使われる硬さは「XUL」「UL」「L」「ML」の4種類です。
初心者の方は、まずこの4つの中から候補を選ぶのが分かりやすいでしょう。


記号 | 読み方 | 柔らかさ |
---|---|---|
XUL | エクストラウルトラライト | 最も柔らかい |
UL | ウルトラライト | 柔らかい |
L | ライト | やや柔らかい |
ML | ミディアムライト | やや硬い |
メーカーによっては、XULを「SUL(スーパーウルトラライト)」と呼ぶこともあります。また、同じ「L」でもメーカーやシリーズが違えば感触は少し変わります。
注意:「適合ルアー重量」もチェックしよう
ロッドを選ぶときは、硬さの記号だけでなく「適合ルアー重量」を必ず確認しましょう。
スペック表には「LURE WT: 0.5-5g」などと書かれており、快適に使えるルアーの重さを示しています。
注意すべきは、同じULでもメーカーによって対応範囲が異なる点です。
同じULでも3gまでのものもあれば、10g以上投げられるものもあります。
記号だけに頼らず、重量を必ず確認しましょう。
硬さ別の適合重量目安
硬さとルアー重量には、ざっくりとした目安があります。
この表を見れば、どの硬さでどのくらいのルアーが扱えるか分かります。
パワー表記 | 対応ルアー重量(目安) |
---|---|
XUL | max2g |
UL | 弱め:max3g、強め:max5g |
L | 弱め:max5g、強め:max10g |
ML | 弱め:max15g、強め:max20g |


適合重量別|アジングロッドを5クラスに分けて解説


アジングロッドは、狙う魚のサイズや使うリグの重さによって、選ぶべきクラスが変わります。
そこで本記事では、適合ルアー重量を基準にした以下の5つのクラスを取り上げ、特徴・長所・短所を一挙に解説します。
- 最大2gクラス(〜XUL)
- 最大3gクラス(XUL〜UL)
- 最大5gクラス(UL〜L)
- 最大10gクラス(L〜ML)
- 最大20gクラス(ML〜)
ジグ単中心で楽しみたい人も、遠投で大型を狙いたい人も、自分に合ったクラスを見つけやすくなるはずです。
最大2gクラス(〜XUL)- 軽量JHのスペシャリスト
このクラスは、1g未満の超軽量ジグヘッドを扱うことに特化した、最も繊細で柔らかいロッドです。
まるで指先の延長のようにルアーを操作でき、超フィネスゲームを楽しむことができます。
- 特徴:極めてしなやかで、軽量リグを自在に操れる
- 得意なリグ:0.2〜0.8gの超軽量ジグ単
- メインターゲット:豆〜尺アジ(尺超えはやや力負けしやすい)
長所:超軽量ジグ単の使用感がバツグン
- 0.2gクラスの超軽量リグを繊細に操作できるフィネス性能
- 柔らかさが衝撃を吸収し、バラシが少ない
- アジの吸い込みに違和感を与えず、乗せ性能に優れる
短所:パワー・飛距離不足
- 大型が掛かるとパワー不足になりやすい
- 少し重いルアーや風の強い状況に不向き
- 軽量特化のため飛距離が伸びず、近距離戦専用
最大3gクラス(XUL〜UL)- ジグ単用の王道スペック
アジングの基本であるジグヘッド単体(ジグ単)を極めたい人に最適なクラスです。
高い感度としなやかさを併せ持ち、0.2〜3gまでの幅広いジグ単に対応できます。
- 特徴:感度と柔らかさのバランスが優秀
- 得意なリグ:1g前後のジグ単(〜3gまで対応)
- メインターゲット:豆アジ〜尺アジ
長所:ジグ単ゲームへの対応力が最強
- 軽い操作でもリグを自在にコントロールできる
- 小さなアタリも手元に伝わる高感度
- 魚の引きをしっかり楽しめる柔らかい曲がり
短所:遠投性やパワーは不足
- 遠投性能は低く、沖のポイント攻略には不向き
- ジグ単以外の釣りではややパワー不足
最大5gクラス(UL〜L)- 最初の1本に最適な万能モデル
繊細さとパワーのバランスが最も優れているクラスです。
ジグ単から軽い遠投リグまで幅広く対応できるため、初心者さんが最初に選ぶなら間違いない1本といえます。
- 特徴:近距離の軽量ジグ単から小型プラグまで扱える
- 得意なリグ:0.8〜3gのジグ単、軽量キャロや小型プラグ
- メインターゲット:豆アジ〜尺アジまで幅広く対応
長所:パワーと繊細さのバランスが良く万能
- 汎用性が高く、どんなシーンでも安心して使える
- 初心者が基礎を学ぶのに最適な性能
- 1本で多彩な釣り方を試せる
短所:やや器用貧乏ともいえる
- 超軽量リグの繊細さは上位クラスに劣る
- 遠投性能は10g以上のモデルに比べて弱い
最大10gクラス(L〜ML)- パワー型の万能モデル
遠投をやりたい、でもジグ単も外したくない。そんな欲張りな人に合うのがこのクラスです。
キャロやフロートで遠距離を攻めつつ、ジグ単も1〜3gぐらいならそこそこ快適に操作できます。
- 特徴:硬めの張りで重めリグも安定キャスト
- 得意なリグ:キャロ、フロート、5〜7gジグ
- メインターゲット:中型〜尺アジ、大型のギガアジ
長所:パワーがあるのにジグ単もそこそこ使える
- 遠投できるからサーチ範囲が広い
- 大型相手でもパワー負けせず安心
- フッキング力が強く、遠距離でも掛けやすい
- ジグ単にも対応
短所:フィネスな釣りへの対応力
- 軽量ジグ単は苦手で操作しにくい
- 小アジ狙いではバラシが増えやすい
最大20gクラス(ML〜)- 未知の領域を攻める遠投砲
このクラスはアジングロッドの中でも最もパワフルで、エギングロッドに匹敵する強度を備えています。
繊細さよりも、圧倒的な遠投性能と強さを重視した設計です。
- 特徴:重いリグを遠投できるタフな設計
- 得意なリグ:10g超のフロートやキャロ、サーフでの遠投仕掛け
- メインターゲット:尺アジ〜ギガアジ、シーバスなどの大型外道
長所:他を寄せ付けないパワーと遠投性
- 圧倒的な遠投性能で広範囲を攻められる
- 大型アジや外道とも安心してファイトできる
短所:近距離戦への対応が困難
- ジグ単のような繊細な釣りはほぼ不可能
- 硬すぎて近距離の釣りでは扱いづらい
アジングロッドの硬さ(強さ)別 特徴早見表
これまでの内容を一覧表にまとめました。ロッド選びに迷った時に、参考にしてみてください。
最大ルアー重量 | 代表的な硬さ | 得意なリグ | 主なターゲット | 長所 | 短所 |
---|---|---|---|---|---|
〜2g | XUL | 1g以下のジグ単 | 豆〜尺アジ | 超軽量ジグ単の操作性 | サーチ範囲、パワー不足 |
〜3g | XUL〜UL | 1g前後のジグ単 | 豆〜尺アジ | ジグ単(幅広い重量)の操作性 | サーチ範囲が狭い |
〜5g | UL〜L | ジグ単〜軽量な遠投リグ | 豆〜尺アジ | ほどよい繊細さと汎用性 | 特化性能は他に劣る |
〜10g | L〜ML | キャロ・フロート、中〜重量級ジグ単 | 中〜ギガアジ | 遠投性能、パワー、汎用性 | 軽量リグの操作性△ |
20g〜 | ML〜 | 重量級フロート、キャロ | 中〜ギガアジ | 最大の飛距離とパワー | ジグ単ゲームに向かない |
アジング初心者向けの「硬さ」選び解説


ここまでロッドの硬さについて詳しく見てきました。
では実際に、これからアジングを始める人はどの硬さを選べば良いのでしょうか。
ここでは、失敗しにくい硬さ選びの基本戦略をわかりやすく解説します。
最初の1本:最大5gクラス(UL〜L)が鉄板
初心者が最初に選ぶなら、迷わず最大5gクラス(UL〜L)の汎用型ロッドがおすすめです。
このクラスは操作性・対応力・安心感のバランスが抜群で、まさに「鉄板スペック」といえます。
このクラスの利点
- 基礎を学べる:1g前後のジグ単で操作感をしっかり体験できる
- シーンを選ばない:港内のジグ単から軽い遠投まで幅広く対応
- 次の釣りにも挑戦可能:小型プラグやメタルジグで遊べる
- 誰でも扱いやすい:失敗の少ない安定設計で安心
2本目の選び方:世界を広げる一本
最初のロッドでアジングを学んだら、次に欲しくなるのが2本目のロッドです。
選び方は大きく分けて2通りあります。
パターン1:特化型モデルで釣りの幅を広げる
汎用型を使い込むうちに「もっと繊細にジグ単を操りたい」「遠投で未知のポイントを狙いたい」といった欲求が生まれてきます。
そうした声に応えるのが特化型モデルです。
- ジグ単特化:
最大2〜3gクラス(XUL〜UL)のショートロッド。細かなアタリを捉え、繊細なゲームを楽しめる。
≫おすすめのショートロッド特集 - 遠投特化:
最大10〜20gクラス(L〜ML)のロングロッド。沖の大物や未開拓ポイントを攻略できる。
≫おすすめの遠投ロッド特集
パターン2:高品質な汎用モデルにアップグレード
「万能型が自分に合っている」と感じたなら、同じ5gクラスでも上位モデルへの買い替えがおすすめです。
- 軽量化で扱いやすさ向上
- 高感度カーボンによるアタリの明確化
- バランス設計でよりスムーズな操作感
同じスペックでも性能が一段上がると、アジングの快適さと楽しさはさらに広がります。
≫おすすめの万能ロッド特集
≫ミドルクラスのおすすめロッド特集
≫ハイエンドのおすすめロッド特集
これで失敗しない!アジングロッド硬さ選び3つのコツ


ここまで読めば、自分に合った硬さの目安はつかめてきたはずです。
次は、購入してから「失敗した…」と後悔しないために押さえておきたい3つのコツを紹介します。
強けりゃいい(硬けりゃいい)ってわけではない
「とりあえず強めを選べば安心でしょ?」と思いがちですが、アジングではそれが失敗の原因になることもあります。
硬いロッドは遠投や重いルアーに強い反面、ジグ単の操作がやりにくくなるのです。
例えば、MLクラス(〜20g対応)を最初に買ってしまうと、ジグ単での繊細な釣りができず、思ったように釣果を伸ばせないでしょう。
アジングの基本はジグ単。
なので最初の1本は強さだけでなく繊細さも大事にしましょう。
釣りのスタイルに合わせる
ロッド選びの正解は、あなたの釣りスタイルによって変わります。
「リグ・サイズ・釣り場」の3つを基準に考えましょう。
- 仕掛け(リグ)基準
- ジグ単メイン → max3〜5g(UL〜L)
- ジグ単&遠投リグを併用 → max5〜10g(UL〜L)
- 遠投リグ特化 → max10g〜(L〜)
- ターゲットサイズ基準
- 豆アジ〜小アジ → max2〜3g(XUL〜UL)
- 尺〜ギガアジ → max10g〜(L〜)
- 釣り場基準
- 漁港など近距離 → 短く柔らかめ
- 外洋・サーフ → 長く硬め
「特化型」か「汎用型」か
ロッドの役割を大まかに分類するなら、「特化型」と「汎用型」に分かれます。
自分がほしいのはどちらかを考えるのは、ロッド選びにおいて重要な方針です。
- 汎用型ロッド:
1本で様々な釣りをそつなくこなせるロッド。最大5gクラス(UL〜L)がその代表格です。初心者がまずアジングの世界を知るためには、このタイプが最適です。 - 特化型ロッド:
ある特定の釣り(例:超軽量ジグ単、ギガアジの遠投フロート)を極めるために設計されたロッド。汎用性は低いですが、その分野では圧倒的な性能を発揮します。
最初は「汎用型」で基本を学び、自分の好きな釣り方や得意なパターンが見つかったら、それをさらに伸ばすための「特化型」を手に入れる。これが定番の揃え方です。
よくある質問(FAQ)
Q1. メバリングなど他ジャンルと兼用するのにおすすめの硬さは?
A. 釣りの種類によっておすすめは変わります。
メバリングと一緒に使うなら、**〜5gクラス(UL〜L)**が便利です。ジグ単や軽いプラグにも対応でき、メバルの釣りにもピッタリ。ポイントによっては磯やテトラ帯で釣ることも多いため、6ft台中盤くらいの長さがあると扱いやすいです。
遠投アジングとエギングを両立させたい場合は、最大20gクラス(ML)のパワー型ロッドを選びましょう。すでにエギングロッドを持っているなら、そのまま遠投アジングに使うのもアリです。
Q2. ロッドは複数本持つべき?1本で済ませるべき?
A. 初心者さんならまずは1本でOKです。
おすすめは最大5gクラス。これならジグ単も軽いリグも楽しめて、アジングの基礎をしっかり学ぶことができます。
釣りを続けていくと「もっと遠投したい」「もっと繊細な操作をしたい」といった欲求が出てくるので、そのときに2本目を考えましょう。
いきなり何本も買う必要はありません。
Q3. 複数本持つならどの硬さの組み合わせがおすすめ?
A. 定番は「ジグ単用」と「遠投用」の2本セットです。
具体的には、最大3gクラス(UL)と最大20gクラス(ML)の組み合わせが好バランス。
これなら漁港の近距離戦から、沖の大型アジ狙いまで幅広く対応できます。
この2本を揃えておけば、いろんな距離で戦略性の高いアジングを楽しめます。
Q4. XULは豆アジ以外にも使える?
A. はい、普通に使えます。
XULは超軽量ジグ単に特化した設計ですが、一定の強さもあります。
- 対応できるサイズ: アベレージサイズ〜25cm前後の良型アジは問題なし。
- 尺アジ以上: 強引なやり取りは難しいですが、丁寧にファイトすれば取り切れます。
つまり、XULだからといって極端なパワー不足を心配する必要はありません。
Q5. 硬いロッドだとバラシが増えるってホント?
A. はい、基本的には本当です。
硬いロッドは魚の動きに合わせて曲がりにくく、衝撃を吸収しづらいため、口切れを起こしてバラシにつながりやすくなります。
ただし、工夫すれば軽減できます。
- ドラグを緩めに設定して衝撃を吸収させる
- 強めのロッド+強めのドラグで一気に勝負する
このように調整すれば、バラシは増えても致命的ではありません。過度に心配する必要はないでしょう。
Q6. 適合ルアー重量をオーバーして使っても大丈夫?
A. 多少のオーバーなら可能です。ただし注意が必要です。
たとえば、最大3g対応のロッドで5gの遠投リグを投げることはできますが、強く振ると破損リスクが高まります。投げるときは力を抜いてゆったりとキャストしましょう。
また、適合外の仕掛けはメーカーが想定していないため、使えなくはないものの操作感は落ちることもあります。安全と快適さのバランスを考えることが大切です。
まとめ


アジングロッドを選ぶときは、硬さのアルファベットだけでなく「適合ルアー重量」を見ることが大切です。
これを意識すれば、自分のスタイルに合ったロッドが見つけやすくなります。
目安としては、以下のように5つのクラスに分けて考えるとわかりやすいです。
最大ルアー重量 | 代表的な硬さ | 得意なリグ | 主なターゲット | 長所 | 短所 |
---|---|---|---|---|---|
〜2g | XUL | 1g以下のジグ単 | 豆〜尺アジ | 超軽量ジグ単の操作性 | サーチ範囲、パワー不足 |
〜3g | XUL〜UL | 1g前後のジグ単 | 豆〜尺アジ | ジグ単(幅広い重量)の操作性 | サーチ範囲が狭い |
〜5g | UL〜L | ジグ単〜軽量な遠投リグ | 豆〜尺アジ | ほどよい繊細さと汎用性 | 特化性能は他に劣る |
〜10g | L〜ML | キャロ・フロート、中〜重量級ジグ単 | 中〜ギガアジ | 遠投性能、パワー、汎用性 | 軽量リグの操作性△ |
20g〜 | ML〜 | 重量級フロート、キャロ | 中〜ギガアジ | 最大の飛距離とパワー | ジグ単ゲームに向かない |
初心者におすすめなのは最大5gクラス(UL〜L)。汎用性が高く失敗が少ないモデルです。
慣れてきたら特化型や上位モデルを追加して、自分のスタイルを広げましょう。
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