「アジングって、アワセのタイミングが難しすぎる!」
そう悩んでいませんか?
アタリを感じて即アワセする「掛け調子」の釣りは確かに主流ですが、アジングの楽しみ方はそれだけではありません。
この記事では、ロッドが自動で仕事をしてくれる「乗せ調子」の世界を解説します。
アタリを弾くストレスから解放され、もっと気軽にアジングを楽しみたい人は必見です。
乗せ調子のおすすめロッド
管理人ども。当サイトの管理人です。
釣りメディアのライター&ディレクターとして、これまでに1000本以上の記事制作に携わってきました。
雑食アングラーではありますが、なかでもアジングは大好物。いろんな道具と苦楽をともにしつつ、かれこれ10年以上はアジングをやり込んでいます。
アジング道具については、そこいらの釣具屋店員サンよりもぜんぜん詳しい自負があります。
あなたにピッタリのギア選びをお手伝いできるよう、当サイトで役立つ情報をお届けしています。
アジングロッドの「乗せ調子」とは?【掛け調子との違い】


アジングロッドの世界には、「乗せ調子」と「掛け調子」という2つの大きな考え方があります。
これは、アジのアタリに対して、どうやって針掛かり(フッキング)させるか、という設計思想の違いです。
「乗せ調子」はロッド全体がしなやかに曲がる
「乗せ調子」の最大の特徴は、穂先から胴(ベリー)にかけてがしなやかに曲がること。
アジに違和感を与えずにルアーを深く食い込ませる「間(ま)」をロッドが自動的に作ってくれます。
その結果、アングラー(釣り人)が慌ててアワセなくても、アジが反転する重みなどで自然と針が掛かる。これが「向こうアワセ」と呼ばれる状態です。
ロッドの「しなやかさ」が魚の動きに追従するため、アワセを入れなくても自動で掛かりやすいってわけです。
「掛け調子」は竿全体に張りがある(高反発)
一方の「掛け調子」は、アングラーがアタリを能動的に「感知」し、即座にアワセを入れてフッキング(=即アワセ)することを前提にした設計です。
高弾性カーボン素材などを使った、ロッド全体の「パリッとした張り」と高い反発力が特徴。
アジが触れた瞬間の「コツッ」という小さなアタリを、明確に手元へ伝達する「反響感度」に優れています。
この高感度とレスポンスの良さで、アタリを感じた瞬間にアングラー自身が積極的に掛けにいく、攻撃的なスタイルです。
メリット・デメリットで見る「乗せ調子」の使いどころ


「乗せ調子」のオートマチックな性能は魅力的ですが、当然ながら万能ではありません。「掛け調子」と比較した際のメリットとデメリットを理解することが重要です。
メリット(1):アタリを弾かず、バレにくい
最大のメリットは、アタリを「弾きづらい」こと。
柔軟なティップとベリーが、アジの弱い吸い込みにも素直に追従。
食いが渋い状況でも、アジに違和感を与えずに深く食い込ませやすくなります。
さらに、掛かった後もロッド全体がしなやかに曲がるため、アジが暴れるパワーをうまい具合に吸収してくれます。
これにより、口切れなどによるバラシを減らせるのも大きな強みです。
メリット(2):アワセを入れなくてもフッキングする
アジング初心者が最初につまずくのが「アワセ」の壁です。「どれがアタリで、どのタイミングでアワセればいいか…」悩みますよね。
乗せ調子の最大のメリットは、この難しい「アワセ」をロッドが代行してくれること。
アジがルアーを吸い込むと、しなやかな穂先が自動で追従し、自然とフッキングが完了します。
アングラーは、魚が掛かって「ブルブルッ!」と暴れ出してから竿を立て、ゆっくりリールを巻くだけでOK。
乗せ調子ロッドがあればアワセの難しさに悩む必要はありません。
これは初心者さんにとってはすごく心強いと思います。
デメリット(1):操作性と感度は「掛け調子」に劣る
「掛け調子」のロッドが伝える「コツッ」という金属的なアタリに比べると、「乗せ調子」のしなやかなブランクはアタリが鈍化する傾向があります。
アタリが「モゾッ」とした重みの変化として現れることが多く、これを「感度が劣る」と感じるアングラーは多いです。
また、ロッド全体がしなやかなため、ルアーをキビキビと動かそうとしても、力がロッドの曲がりに吸収されてしまい、操作性に「ダルさ」を感じる側面もあります。
デメリット(2):自分で「掛ける楽しさ」が減る
アジングの醍醐味を「微細なアタリを自分で感知し、瞬時にアワセて掛ける」というゲーム性に求める人にとって、「乗せ調子」の釣りは少し物足りないかもしれません。
ロッドが自動で仕事をしてくれる分、「釣った」というより「釣れた」という感覚になりやすく、能動的なゲーム性が低いと感じることがあります。
【補足】:筆者の見解と市場の傾向
市場の主流が「掛け調子」なのは、シンプルに「使っていて楽しいから」でしょう。
アワセはすぐに慣れますし、アジングを続けると「自分で掛けて楽しみたい」と思うようになるものです。
高感度ロッドでアタリを感じ、バシッと掛ける! アジングの脳汁ポイントはここですからね。


自動で掛かる「乗せ調子」はどうしても受動的なスタイルになってしまうため、釣りの楽しさという意味では「掛け調子」と比べて劣ります。



そんなわけで、現状「乗せ調子」ロッドは、ニッチな存在。
やはり王道は「掛け調子」のロッドです。
「乗せ調子」のロッドが活きるシチュエーション


では、ここいらで「乗せ調子」のロッドが活きるシチュエーションをまとめておきます。
- アタリが小さい「豆アジ」シーズン
豆アジの「モソッ」と吸い込むだけの微弱なアタリは、硬い竿では弾きやすいです。「乗せ調子」のしなやかなロッドなら、この吸い込みに抵抗なく追従するため、フッキング率が高くなります。
»豆アジ用のおすすめロッド
»豆アジ用のおすすめジグヘッド - プランクトン・パターンの攻略
アジが特定の場所で、アミなどのプランクトンを「吸い込み」ながら捕食している状況。こういったケースではアジの吸い込みが弱くなりがち。乗せ調子ロッドのしなやかさが活きます。 - アジング入門者・アワセが苦手な人
アジング特有の「即アワセ」は、初心者にとって最初の関門。アワセのタイミングが分からなくても、ロッドがフッキングを代行してくれる「乗せ調子」は、アジングを易しくしてくれます。
»アジング入門講座(アワセのやり方など)



とにかく簡単にアジを釣りたい!釣りの楽しさよりも釣果を優先したい!って人には、「乗せ調子」ロッドがおすすめです。
ベテランさんであっても、肩の力を抜いてゆるりとアジングを楽しみたいってときには、乗せ調子ロッドの良さを体感できると思いますよ〜。
乗せ調子のおすすめアジングロッド4選
ここからは「乗せ調子」のおすすめアジングロッドを紹介していきます。
ソルティーステージ プロトタイプ アジング 552ULT-ST(アブガルシア)


アブガルシアの「ソルティーステージ プロトタイプ 552ULT-ST」は、アワセを入れずに「自然に乗せる」感覚にとことんこだわったスローテーパーモデル。
竿全体がしなやかに曲がり、アジが食いつけばオートマチックにフッキング。
あとはロッドの曲がりを信じて巻くだけです。
アジングをシンプルに楽しめる設計となっています。
「曲がる竿は感度がイマイチ…」という問題点も、高感度なチューブラーティップでケア。
総合力が高い乗せ調子ロッドといえるでしょう。
ブルーカレントⅢ 63(ヤマガブランクス)


ヤマガブランクスのロッドは、竿全体をしなやかに曲げ、魚とのファイトをとことん楽しむ「曲げて獲る」スタイルで人気です。
この「ブルーカレントⅢ 63」も、その思想を色濃く反映しています。
このモデルのコンセプトは「掛けと乗せの融合」。
しなやかな胴(ベリー)がアジの吸い込みにしっかり追従し「乗せ」をこなしつつ、適度な張りを持つ穂先が「掛け」の操作性を両立。
ただ乗せるだけでも、ただ掛けるだけでもない。ロッドとの一体感を味わいながら、アジングを楽しみたい人におすすめです。
エラディケーター リアルフィネス プロトタイプ 46pro-ST(アブガルシア)


アブガルシアの最高峰アジングロッド「エラディケーター リアルフィネス プロトタイプ」。
その中でも異彩を放つのが、この「46pro-ST」です。
まず驚くべきはそのスペック。全長4フィート台で、自重はわずか27g。
これは最新のアジングロッド界でも群を抜く軽さです。
軽量リールとあわせるとアンダー170gタックルが完成!


この「超ショートレングス」には明確な理由があります。
ベースはアジのバイトに追従する「乗せ調子」。その弱点であるレスポンスの鈍さに、極端な短さで対処しています。
(※ロッドが短くなると、操作やフッキング時のレスポンスが上がる)
「待つ」乗せの釣りを快適にこなしつつ、その気になれば「掛ける」操作もできてしまう。
アブガルシアの技術の粋を集めた、究極のフィネスロッドです。
アドバンスメント BCR-56(34)


仕舞寸法わずか47.5cm。
リュックやバッグに忍ばせて、どこへでもアジングに繰り出せる。
「BCR-56」は、そんな機動力が魅力の4ピース・パックロッドです。
しかし、これは単なる「お手軽ロッド」ではありません。
34(サーティフォー)ならではの、軽量ジグヘッドの重みを感じる「荷重感度」と、流れの変化を読み取るための「しなやかさ」を追求した本格派。
公式の解説動画
竿全体が曲がるため、アジを乗せやすく、バラしにくいのも強み。
旅先でも妥協しないアングラーに最適です。
【まとめ】アタリを弾く悩みは「乗せ調子」で解決できるかも


アジングロッドの「乗せ調子」とは、ロッド全体がしなやかに曲がり、アジの吸い込みに追従してオートマチックに掛けてくれるロッドのことです。
- アタリを弾いてしまう
- アワセが苦手、タイミングが分からない
- ただ巻きなどシンプルな釣りが好き
こんな悩みやスタイルを持つアングラーにとって、「乗せ調子」は強力な武器になります。
逆に、「自分で掛ける楽しさ」や「感度・操作性」を最優先するなら、「掛け調子」が向いています。
どちらが優れているかではなく、「使い分け」が重要です。
この記事を参考に、あなたの釣りをアップデートする一本を探してみてください。
この記事で紹介したおすすめロッド
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