結論から言うと、アジングにハイエンドリールは「多くの人にとっては不要」です。
むしろ、近年の中堅リールの進化がすごすぎて、そっちを選んだ方がコスパ的にも満足度が高くなりがち。
この記事では、ハイエンドリールの魅力と課題を整理しつつ、「ハイエンドよりも推せる中堅リール」まで一気に紹介していきます。

ども。当サイトの管理人です。
釣りメディアのライター&ディレクターとして、これまでに1000本以上の記事制作に携わってきました。
雑食アングラーではありますが、なかでもアジングは大好物。いろんな道具と苦楽をともにしつつ、かれこれ10年以上はアジングをやり込んでいます。
アジング道具については、そこいらの釣具屋店員サンよりもぜんぜん詳しい自負があります。
あなたにピッタリのギア選びをお手伝いできるよう、当サイトで役立つ情報をお届けしています。
アジングリールの”ハイエンド”とは?
「ハイエンドリール」と聞いても、その定義は人によって少しずつ違います。
とはいえ、管理人としては「実売価格5万円台〜」をハイエンドの基準にするのがしっくりきます。
以下は、おおまかな価格帯ごとのクラス分けと、それぞれに向いているユーザーの目安です。
実売価格 | クラス | 初心者 | 中級者 | 上級者 |
---|---|---|---|---|
5万円台〜 | ハイエンド | △ | ◯ | ◎ |
2〜4万円台 | ミドル | ◯ | ◎ | ◎ |
〜1万円台 | エントリー | ◎ | ◯ | △ |
具体的な製品でいうと
- ダイワ:22イグジスト、23エアリティ
- シマノ:22ステラ、23ヴァンキッシュ
なんかがハイエンドリールの代表例です。
アジングにハイエンドは必要?→結論:多くの人には不要です


アジングにハイエンドリールって必要なの?と聞かれたら、正直なところ「多くの人には不要」だと思っています。
その理由は、中堅クラスのリールがとても優秀だから。
軽くて巻き心地もなめらか、強度も十分。それが2〜3万円台で手に入ります。
「5万円以上のリールと、そんなに違うの?」と思う方は、一度お店で触ってみてください。
確かに違いはあります。でも、それが“釣果に直結するほどの差”かと言われると、正直そこまでではありません。



高いリールには所有する喜びや満足感があります。
けれど、それを求めないのであれば、ミドルクラスで十分。無理に手を出す必要はぜんぜんありません。
リールよりのロッドのほうが重要
解説ショート動画
リールももちろん大事な道具ですが、アジングにおいてはロッドの重要性が圧倒的に高いです。
特に「感度」。アジの繊細なアタリを感じ取れるかどうかは、ほとんどロッド次第です。


リールにお金をかけるよりは、ロッドにしっかり投資したほうがアジングの楽しさは格段に広がります。


ハイエンドのアジングリールの強み / 弱み
ハイエンドリールのメリットとしては、以下のような項目が挙げられる。
- 軽い:
グレードが高い素材や製法が使われているから、とにかく軽い - 巻き心地が良い:
ギアやローターに良いパーツが使われているから、巻き心地が良い - 強度が高い:
金属ボディが基本だから、軽いのに強い - 所有する喜びが大きい:
デザインも仕上げも上質で、所有する喜びがある。
こういった魅力は確かにあるんですが、実際には中堅クラスのリールと比べて「劇的な違い」を感じられることは少ないです。
特にアジングのようなフィネスゲームでは、強度面の差もあまり意味を持ちません。
つまり、価格に対する性能の“伸びしろ”が小さいというのがハイエンドの弱点。
「値段なりの価値を感じられなさそう…」と不安に思うなら、無理に手を出す必要はないと思います。
アジングにおすすめのハイエンドリール3選
ここからは、アジング適性が高いハイエンドリールを紹介していきます。
選択肢としては、以下の3製品が有力です。
製品 | メーカー | 2000番クラス の自重 | 実売価格 | おすすめ度 |
---|---|---|---|---|
22イグジスト | ダイワ | LT2000:155g、 SF2000:135g | 90,000円前後 | ★★★☆☆ |
23エアリティ | ダイワ | LT2000:145g、 SF2000:130g | 55,000円前後 | ★★★★☆ |
23ヴァンキッシュ | シマノ | 145g | 55,000円前後 | ★★★★☆ |
22イグジスト(ダイワ)


「22イグジスト」は、ダイワが誇る最高峰のスピニングリール。
最新の「エアドライブデザイン」をはじめ、あらゆる先進技術が詰め込まれたハイエンドリールです。
自重は、LT2000クラスで155g。超小型番手のSF2000クラスでは135gと、非常に軽量。
金属製ボディにより剛性も十分で、スペック面での不足はまったくありません。
とはいえ、実売価格は約9万円とかなりの高額。
スペック面の優秀さは疑いようがありませんが、それを価格に見合うと感じるかどうかは人によって評価が分かれそうです。



個人的には「イグジスト1台を買うより、ハイエンドロッドを2本買ったほうが満足度が高いのでは?」と思います。
タップで切り替え
アイテム | 標準自重(g) | 巻き取り長さ(cm/ハンドル1回転) | ギア比 | 標準巻糸量ナイロン(lb-m) | 標準巻糸量PE(号ーm) | ハンドルアーム長(mm) | ベアリング(ボール/ローラー) | 最大ドラグ力(kg) | スプール寸法(径mm) | ハンドルノブ仕様 | ボディ素材 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
LT2000S-P | 155 | 64 | 4.9 | 3-150 | 0.4-200 | 40 | 12/1 | 5 | 42 | HG-Iライト | マグネシウム |
23エアリティ(ダイワ)


「22イグジスト」のすぐ下のグレードに位置づけられるのが、この「23エアリティ」。
大きな違いは、防水パーツの一部が省略されている点くらいで、その他の仕様はかなり近いものになっています。
搭載されているテクノロジーも、エアドライブデザインやモノコックボディなど、重要な機能はしっかり網羅。
そして、注目すべきはその軽さ。なんと「22イグジスト」よりも軽量です。
「23エアリティ」と「22イグジスト」の重量比較
番手 | 23エアリティ | 22イグジスト |
---|---|---|
LT2000クラス | 145g | 155g |
SF2000クラス | 130g | 135g |
実売価格はおよそ5.5万円前後。
「イグジスト」に比べるとかなり手が届きやすい価格設定です。
ただし、アジング用途に限っていえば、さらに下の「24ルビアス」でも十分すぎる性能を持っており、実釣レベルでの明確な差はやや見えにくいところでもあります。
タップで選択
アイテム | 標準自重(g) | 巻き取り長さ(cm/ハンドル1回転) | ギア比 | 標準巻糸量ナイロン(lb-m) | 標準巻糸量PE(号ーm) | ハンドルアーム長(mm) | ベアリング(ボール/ローラー) | 最大ドラグ力(kg) | スプール寸法(径mm) | ハンドルノブ仕様 | ボディ素材 | ボディ構成 | ローター | 防水機構 | スプール |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
LT2000S-P | 145 | 64 | 4.9 | 3-150 | 0.4-200 | 40 | 11/1 | 5 | 42 | HG-Iライト | マグネシウム | 1部品(モノコック) | ZAION | マグシールド | 薄肉アルミ |
23ヴァンキッシュ(シマノ)


「23ヴァンキッシュ」は、シマノが誇るフィネス系リールの代表格。
軽さと巻きの軽快さに優れ、アジング用リールとして長く支持されているシリーズです。
最新モデルとなる2023年版では、「インフィニティループ(密巻きシステム)」を新たに搭載。
ラインの密巻きによって飛距離の向上などが期待されています。
一方で、極細ラインとの相性にはやや難があり、ライントラブルが発生しやすいという声もあります。
自重は2000番クラスで145gと、しっかりと軽いです。
とはいえ、実売価格は5.5万円前後とやや高めで、前述のトラブルリスクを考慮すると、慎重な選択が求められるかもしれません。
実際、「これだったら24ルビアスや24ヴァンフォードでも十分なのでは?」と感じる人も少なくないでしょう。
おすすめの万能モデル:
C2000S
品番 | ギア比 | 実用ドラグ力(Kg) | 最大ドラグ力(Kg) | 自重(g) | スプール 径(mm)/ストローク(mm) | 糸巻量ナイロン(号-m) | 糸巻量ナイロン(lb-m) | 糸巻量ナイロン(mm-m) | 糸巻量フロロ(号-m) | 糸巻量フロロ(lb-m) | 糸巻量PE(号-m) | 最大巻上長(cm/ハンドル1回転) | ハンドル長さ(mm) | ベアリング数BB/ローラ― |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
C2000S | 5.1 | 2 | 3 | 145 | 43/13.5 | – | 3-125, 4-100, 5-75 | 0.14-145, 0.16-105, 0.18-80 | – | 3-110, 4-85, 5-65 | 0.6-150, 0.8-110, 1-80 | 69 | 40 | 11/1 |
「22ステラ」は…?


シマノのフラッグシップとして知られる「ステラ」。
その性能や信頼性の高さは間違いありませんが、アジングとの相性という面では、ちょっと方向性がズレています。
ステラは剛性や耐久性を優先した設計なので、軽さや操作性を重視するアジングとはやや噛み合いにくい印象です。
もちろん「どうしてもステラが使いたい!」という人を止める理由はありませんが、アジングだけを考えるなら、他にもっと合ったリールがあると思います。
アジング対応の万能モデル:
C2000S
品番 | ギア比 | 実用ドラグ力(Kg) | 最大ドラグ力(Kg) | 自重(g) | スプール 径(mm)/ストローク(mm) | 糸巻量ナイロン(号-m) | 糸巻量ナイロン(lb-m) | 糸巻量ナイロン(mm-m) | 糸巻量フロロ(号-m) | 糸巻量フロロ(lb-m) | 糸巻量PE(号-m) | 最大巻上長(cm/ハンドル1回転) | ハンドル長さ(mm) | ベアリング数BB/ローラ― |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
C2000S | 5.1 | 2 | 3 | 170 | 43/13.5 | – | 3-125, 4-100, 5-75 | 0.14-145, 0.16-105, 0.18-80 | – | 3-110, 4-85, 5-65 | 0.6-150, 0.8-110, 1-80 | 69 | 40 | 12/1 |
むしろこっちが正解?ハイエンド級の中堅リール3選


ここまでハイエンドリールを紹介してきましたが、実はそれ以上におすすめしたいのが、実売2〜3万円台の中堅リールたちです。
最近の中堅モデルは、性能面でハイエンドにかなり肉薄しており、コスパで見ると圧倒的。
むしろこの価格帯のリールが優秀すぎるからこそ、ハイエンドの必要性が薄れているともいえるでしょう。
ということで、ここからは“ハイエンド級”の実力を持った中堅リールを3つご紹介します。
製品 | メーカー | 2000番クラス の自重 | 実売価格 | おすすめ度 |
---|---|---|---|---|
24ルビアス | ダイワ | LT2000:145g SF2000:135g | 35,000円前後 | ★★★★★ |
ゼノン | アブガルシア | 145g | 35,000円前後 | ★★★★★ |
24ヴァンフォード | シマノ | 155g | 24,000円前後 | ★★★★★ |
24ルビアス(ダイワ)


「23エアリティ」と同等の軽さに仕上がっている中堅リール。
ボディは金属製ではなく強化樹脂製ですが、アジングで使うには十分すぎるほどの強度があります。
SF(スーパーフィネス)モデルも追加されており、究極の軽量タックルを組みたいジグ単アジンガーのニーズにも対応。
タップで選択
品名 | 自重 (g) | 巻き取り長さ (cm/ハンドル1回転) | ギア比 | 標準巻糸量 | ハンドルアーム長(mm) | ベアリング (ボール/ローラー) | 最大ドラグ力 (kg) | ハンドルノブタイプ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ナイロン (lb-m) | PE(号-m) | ||||||||
LT2000S-P | 145 | 64 | 4.9 | 3-150 | 0.4-200 | 40 | 9/1 | 5 | HG-I |
ゼノン(アブガルシア)


アブガルシアの最高峰スピニングリール。
「23エアリティ」や「23ヴァンキッシュ」と同じく、金属ボディを採用した軽量リールです。
2000番クラスの自重は145gとなっており、アジングリール界の最前線をいく水準。
このスペックで実売価格は約3.5万円。
アジング用途としては十分すぎる性能を持ちつつ、価格も抑えめという点で非常に魅力的です。
アジングにおすすめの万能モデル:
2000S
製品名 | 自重(g) | ギア比 | 最大ドラグ力 | 最大ライン巻き取り長(cm/ハンドル1回転) | ボール/ローラーベアリング | ラインキャパシティ(m) ナイロン・フロロ / PE |
---|---|---|---|---|---|---|
ZENON 2000S | 145 | 5.2:1 | 3 | 69 | 10/1 | 0.165(4lb)-100/ PE0.6-100 |
24ヴァンフォード(シマノ)


実売価格は2.4万円前後。
コストパフォーマンスに優れた、シマノの中堅スピニングリールです。
2000番クラスの自重は155gと、「24ルビアス」や「ゼノン」よりやや重め。
とはいえ、そのぶん価格は1万円ほど安く、コスパ重視の人にとっては魅力的な選択肢になります。
シマノの最新テクノロジーがどっさり搭載されている一方で、「23ヴァンキッシュ」の不安要素となっている「インフィニティループ」は非搭載。
アジング的にいろいろと都合が良い仕様になっています。
おすすめの万能モデル:
C2000S
品番 | ギア比 | 実用ドラグ力(Kg) | 最大ドラグ力(Kg) | 自重(g) | スプール 径(mm)/ストローク(mm) | 糸巻量ナイロン(号-m) | 糸巻量ナイロン(lb-m) | 糸巻量ナイロン(mm-m) | 糸巻量フロロ(号-m) | 糸巻量フロロ(lb-m) | 糸巻量PE(号-m) | 最大巻上長(cm/ハンドル1回転) | ハンドル長さ(mm) | ベアリング数BB/ローラ― |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
C2000S | 5.1 | 2 | 3 | 155 | 43/13.5 | – | 3-125, 4-100, 5-75 | 0.14-145, 0.16-105, 0.18-80 | – | 3-110, 4-85, 5-65 | 0.6-150, 0.8-110, 1-80 | 69 | 40 | 7/1 |
ハイエンド&ミドルクラスリールの比較一覧
ハイエンドは不要。ミドルクラスで十分す


「せっかくなら良いものを」とハイエンドに惹かれる気持ちはわかりますが、実際の釣りに必要な性能はミドルクラスでも十分。
アジングではロッドの影響が大きく、リールへの投資優先度は高くありません。
リール選びに関しては、よりコスパを意識したほうが良きかと思います。
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