アジングロッドのコルクグリップは、性能面でEVAと大差ありません。
結論として、見た目が好きな人以外は、わざわざ選ぶ必要はないでしょう。
この記事では、コルクグリップの本当の特徴と、主流のEVAグリップとの違いを分かりやすく比較解説します。
「それでもコルクが好き」という方のために、おすすめのアジングロッドもまとめました。
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ども。当サイトの管理人です。
釣りメディアのライター&ディレクターとして、これまでに1000本以上の記事制作に携わってきました。
雑食アングラーではありますが、なかでもアジングは大好物。いろんな道具と苦楽をともにしつつ、かれこれ10年以上はアジングをやり込んでいます。
アジング道具については、そこいらの釣具屋店員サンよりもぜんぜん詳しい自負があります。
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【結論】アジングロッドのグリップ、コルクとEVAの性能差はほぼ無い


「コルクは感度が高い」 これは、釣りの世界で昔からよく言われる定説です。
でも、それは本当なのでしょうか?
現代のロッド製造技術は、驚くほど進化しています。 高品質なEVAが登場し、竿本体(ブランクス)やガイドの性能も格段に向上しました。
今の時代、グリップ素材の違いが釣果を左右するほどの差を生むことは、ほぼ無いと言って良いでしょう。
両者の特徴を、冷静な視点で比較してみましょう。
コルク vs. EVA 比較表
特徴 | コルクグリップ | EVAグリップ |
---|---|---|
感度 | ◯ (理論上は有利) | ◯ (実用上、差はほぼ無し) |
重量 | ◎ (EVAより若干軽い) | ◯ (十分軽い) |
グリップ力 | ◎ (特に濡れた手で滑りにくい) | △ (濡れると滑りやすい物もある) |
見た目・所有感 | ◎ (個性的で経年変化が楽しめる) | △ (実用的だが没個性的) |
価格 | △ (高価) | ◎ (安価でコスパ良好) |
メンテナンス性 | △ (手入れが必須) | ◎ (手入れが非常に楽) |
採用モデル数 | △ (非常に少ない) | ◎ (圧倒的多数) |
この表が示す通り、性能面でのアドバンテージはごく僅か。むしろ、価格やメンテナンス性といった実用面では、EVAに大きく軍配が上がります。
それでも惹かれる!コルクグリップの3つのメリット


性能面で劇的な差がないことを前提に、それでもコルクが持ついくつかの利点を客観的に見ていきましょう。
メリット1:見た目の良さと所有感(これがメイン)
コルクグリップを選ぶ最大の理由は、これに尽きます。
天然素材ならではの温かい質感。 一つとして同じものがない、美しい木目。
そして、使い込むほどに手に馴染み、色合いが深まっていく…。
この「見た目が好き」「所有する喜び」という気持ちこそが、コルクグリップの核心的な価値です。
メリット2:ほんの少しの軽さ
コルクはEVAよりも素材として軽量です。そのため、ロッド全体の自重を数グラム軽くすることに貢献します。
この数グラムの差が、感度や操作性の向上、長時間の釣りにおける疲れにくさに「少しだけ」影響する可能性は否定できません。
しかし、それが釣果を劇的に変えるほどの差かと言われれば、答えは「ノー」です。
メリット3:雨の日でも滑りにくい
これは実用的なメリットの一つです。
コルクは表面に微細な凹凸があるため、雨や魚の粘液で手が濡れた状態でも、比較的高いグリップ力を維持します。
EVAグリップの中には濡れると滑りやすくなるものもあるため、悪天候下でのキャストやファイトにおける安心感は、コルクの方が一枚上手と言えるでしょう。
購入前に知るべきコルクグリップの3つのデメリット【コスパは悪い?】
では、なぜ市場のアジングロッドのほとんどがEVAグリップを採用しているのか。
その理由は、コルクグリップが抱えるデメリットにあります。
デメリット1:価格が高い。つまり、コスパで劣る
コルクは天然素材であり、品質の高いものは特に高価です。当然、それはロッドの販売価格に直接反映されます。
ロッドの性能を左右する重要パーツは、竿本体である「ブランクス」、そして糸の通り道である「ガイド」です。
もし、同じ価格のA(コルク)とB(EVA)のロッドがあったとします。
Aはグリップにお金がかかる分、ブランクスやガイドの質を少し落としているかもしれません。
逆にBは、グリップのコストを抑えた分、高性能なブランクスやガイドを搭載している可能性があります。
デメリット2:選択肢が絶望的に少ない
釣具店を回っても、コルクグリップのアジングロッドを見つけるのは大変です。
これは、多くのメーカーが「コスト」「性能」「手入れのしやすさ」を考えた結果、EVAを選んでいる証拠。
少数派であるということは、それだけ「万人向けの選択ではない」という市場の答えでもあるのです。
デメリット3:メンテナンスが必須
コルクは手の脂や汚れを吸い込みやすく、すぐに黒ずんできます。
これを「味」と捉えることもできますが、客観的には「汚れ」です。
美しい見た目を保つには、定期的な掃除が欠かせません。
この手間を「愛情」と感じるか、「面倒」と感じるか。 ここも評価が分かれるでしょう。
結論:コルクグリップは「見た目」に投資できる人のための選択肢


ここまでの話をまとめると、結論はとてもシンプルです。
- 性能やコスパを合理的に考えるなら → EVAグリップ
- 見た目や所有感という「ロマン」を重視するなら → コルクグリップ
筆者としては、「コルクグリップの見た目が大好きだ!」という強いこだわりがあり、そのデザインに追加の費用を払える人以外には、積極的におすすめしにくいのが本音です。
同じ予算なら、EVAグリップのロッドを選ぶ方が、より釣果に結びつく高性能な一本を手に入れられる可能性が高いでしょう。
それでもコルクが気になるあなたへ。個性が光る代表的モデル4選


ここまでの話を踏まえた上で、それでもなお「自分はコルクのデザインが好きだ」と感じる方もいるでしょう。
それは素晴らしい感性であり、趣味の道具として正しい選択の一つです。
ここでは、そんなあなたのための、コルクグリップを採用した個性的なコンセプトを持つ代表的なアジングロッドを4本ご紹介します。
スペリオル 56XUL-S トゥイッギー(エバーグリーン)


自重わずか38g。驚異的な軽さを誇る近距離戦モデルです。
このロッドは、デザインのためだけではなく、徹底的な軽量化と感度向上のためにコルクを採用しています。
1g前後の軽いルアーが伝える微細な情報も、鮮明に手元へ届けてくれるでしょう。
性能を追い求めた末のコルク採用、という点に魅力を感じるテクニカルな釣り人向けです。
全長 | 継数 | 標準自重 | ルアー範囲 | 適合ライン | メーカー希望小売価格 |
1.68 m | 2本 | 38 g | 0.1~2.5 g | PE 0.1~0.3号, MF 0.8~2 lb | 63,800円 (税込) |
トレバリズム ヨギ(ブリーデン)


「精神的なロッド」とも評される、独特のフィーリングが魅力。
ムチのようにしなやかに曲がる竿が、アジに違和感なくルアーを吸い込ませます。
このロッドのコルクグリップは、性能以上に「持っていて気持ち良い」という感性を重視。
釣果だけでなく、釣りという時間そのものを深く楽しみたいアングラーにおすすめです。
モデル | 全長 | 継数 | 仕舞寸法 | ルアー範囲 | 適合ライン |
YOGI 510 CS-tip | 5’10” | 2本 | 90 cm | 0.2~4 g | MONO 1~4 lb, PE 0.1~0.3号 |
YOGI 602 CS-tip | 6’2″ | 2本 | 97 cm | 0.2~4 g | MONO 1~4 lb, PE 0.1~0.3号 |
アドバンスメント UBR-510(34)


「しなり」をコンセプトにしたユニークな一本。
エリアトラウトロッドのように柔らかく、軽いルアーの重みさえ竿の曲がりで感じ取れます。
小型のアジ相手でもロッドがよく曲がるため、魚のサイズを問わずスリリングなファイトを楽しめるのも魅力。
それでいて、根元には大物にも対応できるパワーを秘めています。
全長 | 継数 | 仕舞寸法 | ルアー範囲 | 適合ライン |
5’10” (約178 cm) | 2本 | 約123.5 cm | 0.3~3.0 g | 1.0~2.5 lb |
ミニマリズム リベルテ(ティクト)


この記事で紹介するなかでは、唯一の「パックロッド(分割式)」です。
4〜5本に分割でき、仕舞寸法は約50cmと超コンパクト。
旅行や出張先にも気軽に持ち運べます。
しかし、単なる携帯用ではありません。
高品質なパーツとコルクグリップを採用し、本格的な性能を追求。
アジングだけでなく、様々なライトゲームに対応できる汎用性の高さも魅力です。
モデル | 全長 | 継数 | 仕舞寸法 | 標準自重 | ルアー範囲 |
MLS-624 | 6’2″ (188 cm) | 4本 | 51 cm | 58 g | ~3.5 g |
MLS-725 | 7’2″ (219.5 cm) | 5本 | 47.5 cm | 85 g | ~10 g |
MLS-805 | 8’0″ (244 cm) | 5本 | 52.5 cm | 98 g | ~21 g |
長く愛用するためのコルクグリップお手入れ術
もしあなたがコルクグリップのロッドを手に入れたなら、その美しさを保つための簡単なメンテナンス方法を知っておきましょう。
黒ずみの除去
一番手軽なのはメラミンスポンジ(「激落ちくん」など)です。
- スポンジに水を含ませて軽く絞る
- グリップを優しく、一定方向に擦る
- 汚れが浮いたら乾いた布で拭き取る
※強く擦りすぎるとコルクを傷めるので、力加減には注意してくださいね。
目抜け(穴)の補修
表面の穴が気になってきたら、市販の「コルクパテ」で簡単に補修できます。
パテを穴に埋め、乾燥後に目の細かい紙やすりで平らにすれば、滑らかな表面が蘇ります。
結論:コルクは「見た目」買い。手入れの手間は理解しよう


まとめると、コルクグリップの性能はEVAとほとんど変わりません。
「コルクだから高性能」というわけではないんですね。
それでも、天然素材ならではの温かい見た目が好きな人は、選んでみても良いかもしれません。
使い込むほどに自分だけの「味」が出てくるのも魅力です。
ただ、その「味」とは裏腹に、手垢で黒ずみやすいのも事実。
EVAのように放置はできず、手入れは少し大変…。その点はあらかじめ知っておきたいところです。
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